『大草原の小さな天使ブッシュベイビー』を二回見たくない理由

大草原の小さな天使ブッシュベイビー
1992年1月12日~12月20日放映(全40話)

 1965年ごろのケニア。12歳のイギリス人の少女ジャッキーは、親をなくしたブッシュベイビー(以下、BB)の赤ちゃんを育てることになる。ちなみに、ジャッキーは世界名作劇場で最もグラマーなヒロインだろう。健康的で、イギリス人なのに紅茶より麦茶が似合うタイプである。


左『大草原の小さな天使ブッシュベイビー』11話 ジャッキーとBB
右『大草原の小さな天使ブッシュベイビー』25話 水着のジャッキー

 物語の前半ではジャッキーがBBを育てる様子や、ケニアでの生活が描かれるが、あまり起伏がなく退屈なストーリーである。

 物語が面白くなるのは後半からで、ジャッキーがケニア人のテンボと共にサバンナを横断する旅が描かれる。二人が密猟者やワランガ族に追われたり、ヒョウなどの野生動物に襲われたり、野火に巻かれたり、アフリカならではのダイナミックな冒険が繰り広げられる。

 ところで、この物語で最も印象に残るキャラクターは、主人公のジャッキーでも、タイトルにもなっているBBでも、相棒のテンボでもない。ジャッキーのクラスメイトのミッキーである。


『大草原の小さな天使ブッシュベイビー』4話 ミッキー

 ミッキーは、ジャッキーの友人ヅラした性格の悪い肥満児である。なぜこんなにウザい性格のキャラクターを出したのか理解できない。ジャッキーに蛇を突き付けたり(3話)、わざとサッカーボールをぶつけたりしたときは(4話)、いじわるで女子の気を引こうとする不器用な男子ポジションなのかと思ったが、ジャッキーの兄を本人のいないところで笑い者にしていたあたりからは(10話)、さすがにうっとうしい奴としか思えなくなった。嫌われ者を集めたグループの中でも嫌われそうな男である。

 ミッキーはジャッキーの飼うBBをやたら欲しがるのだが、BBが川に落ちておぼれたときはガクガク震えながらボートの上で見ているだけである。泳げないテンボが川に飛び込んでBBを助けようとするのが、ミッキーのヘタレっぷりと対象的である (26話) 。もし世界中が敵になっても、こいつにだけは味方になってほしくない。

 ジャッキーとミッキーが密猟者に捕まったときは、ジャッキーに「俺を置いて逃げたりしないよな」とやたらに訴える(31~32話)。「お前とは違うんだよ」と言ってやりたい。ミッキーが嫌いになれるエピソードは書ききれないほどである。ディズニーはこいつにクレームをつけるべきだと思う。

 主役でもないのにここまで存在感のあるキャラクターは珍しい。

 なによりミッキーを見たくないがために、再び見ることをためらってしまう作品である。