『ポルフィの長い旅』という長い旅

ポルフィの長い旅
2008年1月6日~12月28日放映(全52話)

 小学生のとき、作文の宿題で原稿用紙何枚以上と決まっているのに書くことがないときなど、少しでも文字数を増やすために「うれしかった」を「とてもうれしいという気もちを持ちました」みたいに無駄に冗長に書くことがあったが、このアニメを見てそんなことを思いだした。


『ポルフィの長い旅』20話 ポルフィ(12)

 人間そっくりだけど、どこか違うロボットに嫌悪を感じることを不気味の谷現象というけれど、この物語に見て感じたこともそれに通じるものがある。古今東西の様々な小説をインプットした人工知能がつじつまの合う場面をつなぎ合わせた、つぎはぎだらけの脚本。いうなれば、脚本におけるフランケンシュタインの怪物のようなもの。

 登場人物の行動がどこか変で、とにかく共感ができないのである。

 たとえば、下のようなことだ。

【問題】何年も絶交していた二人がむりやり会わせるとどうなる? (24話)
【予想】きまずい沈黙、ぎこちない会話など
【答え】すぐに笑顔で会話が弾む

【問題】トイレにて、ひとつしかない小便器を誰かが使っている。どうする? (24話)
【予想】少し待つ、大便器のほうで済ますなど
【答え】「どけ!」と使っている人を突き飛ばす

【問題】貨物列車が駅に止まっている。この後、旅客列車がやってくるそうだ。貨物列車が動きだした。どうする? (25話)
【予想】貨物列車の後にやってくる旅客列車に乗る
【答え】貨物電車に飛び乗る

【問題】地元の者以外は禁じられている場所で魚を捕っているところを見つかった。どうなる? (26話)
【予想】怒られる
【答え】マフィアのボスの屋敷に連れていかれる

【問題】二人ならんでアイスを舐めながら、会話のキャッチボール。「うまいぞ、このアイス」に対する返答は? (33話)
【予想】「そうだね」
【答え】「ぼくはもっとおいしいアイスたべたことある。母さんがつくってくれたんだ」

【問題】こっそりとトラックの荷台に乗り込んだが、どうやら運転手は密輸などする悪い奴みたいだ。車が止まったらどうする? (40話)
【予想】荷台から降り、運転手に見つからないよう、すぐに隠れる
【答え】荷台から降り、雪を見て感動。運転手に見つかる

 こういうのが全編を通して何十箇所もあり、全然興味がない前衛芸術を見せられたときのような気分になる。胸糞が悪くなるシーンも多く、世界名作劇場の看板がかかっているからといって、親子で見るようなことは決してオススメできない。

 それでも、未見の人にアドバイスらしきことをしておくと、第33話、第34話あたりは前後のつながりがあまりないので、それを見て気に入ったら見ることにすればよいと思う。ポルフィは長い旅をしたかもしれないが、これを全話見た私もそれに劣らず長い旅をした気分だ。