『あらいぐまラスカル』 飼ってはいけない

あらいぐまラスカル
1977年1月2日~12月25日放映(全52話)

 アライグマは、2005年に外来生物法で人や農作物に被害を及ぼす動物に指定され、もちろん飼育は禁じられている。アニメは1977年の放映で、現在の日本の感覚とは違うのだと理屈ではわかるのだが、やはり今となってはアライグマをペットとして飼うこと自体に違和感がある作品である。


『あらいぐまラスカル』15話 ラスカルとスターリング

 主人公のスターリングは動物好きで、アライグマののほかにセントバーナード犬のハウザーとカラスのポー、スカンク4匹を世話している。

 カラスはスターリングがエサを与えるので人に慣れてしまい、スターリング家の隣の教会に巣をつくってミサの妨害をしたり(1話)、近所の花畑の種をほじり返したりする(16話)。苦情を受けたスターリングはカラスに向かって説教したあと、こうつぶやく。

「あいつ本当にわかったのかな。そうだよな、わかっちゃいないんだよな。もういいや、ハウザー、さあ、釣りに出かけよう」

 この無責任さは何とかならなかったのだろうか。

 また、スカンクは、スターリングと仲が悪い少年スラリーに犬をけしかけられ、教会で結婚式の最中に悪臭を放ち、結婚式をめちゃくちゃにしてしまう(6話)。その場から逃げ出したスターリングは川辺でこうつぶやく。

「僕が悪いわけでもないのに。ただスカンクを飼っていただけなのに…」

 確かに犬をけしかけたスラリーの責任は重い。でも、何かの拍子にスカンクが悪臭を放つのは十分に考えられることなのだから、まったく無責任でいられるわけではない。

 そもそも、作品のタイトルとなっているあらいぐまラスカルは、森で母と暮らしていたところを、スターリングとセントバーナード犬に巣を掘り返され、巣から飛び出した母が猟師に撃ち殺されたことで、スターリングに飼われることになる。スターリングさえいなければ、ラスカルは母子仲良く森で暮らせのだが。


『あらいぐまラスカル』1話 撃たれた母にすがるラスカル

 私は、どうもこの主人公が好きになれないし、動物好きだとも思わない。

 なお、主人公の運命は物語は進むにつれて下降線をたどっていくことになる。母が亡くなり(14話)、ラスカルは檻に入れられ(28話)、父の事業が災害で打撃を受け(37話)、やがて父や友達と離れて暮らすことになる(49話)。身勝手で残酷な少年に対する因果応報の物語なのかもしれない。