『私のあしながおじさん』 おじさんの趣味

私のあしながおじさん
1990年1月14日~12月23日放映(全40話)

 「お嬢様学校に思いがけず入学した天真爛漫な主人公」という本作の設定から、ただのハートフル学園コメディだろうと油断してはいけない。


『私のあしながおじさん』6話 ジュディ・アボット

 主人公のジュディ・アボットは孤児である。あしながおじさんの援助でリンカーン記念女子学園に入学する(3話)。ジュディは孤児院育ちということに強いコンプレックスを持っていて、誰にも自分の過去を打ち明けられない。なにしろ、脱走未遂の罰として犬のように木に縄で縛られさらし者にされたり(29話)、クラスメイトの寄付したおさがりの服を着て同じ教室で授業を受けさせられたり(29話)、超重量級のトラウマを植え付けられた孤児院のことだ。気安く話せることではない。

 ジュディの抱えるコンプレックスは、ジュディの青春にも暗い影を落とす。授業で「家族」をテーマにした作文を課されたときは、孤児院を大きなお屋敷と偽った悲しい嘘の作文を書き(6話)、孤児への寄付を求められたときは「貧乏人はお金持ちが慈善を施すための家畜なのか」とルームメイトにどなってしまう(7話)。そして、金持ちのジャーヴィスからプロポーズされたときには、彼を愛しているにも関わらず孤児院育ちの自分を卑下して断ってしまう(38話)。

 なかなかコンプレックスから解放されないまま、ジュディは卒業式を迎える。最優秀卒業生として答辞を述べることになったジュディは、意を決して壇上で自分が孤児であることを告白し、自分のいじけた考えと決別する(39話)。

 卒業式のあと、ジュディはあしながおじさんの正体がジャーヴィスだということを知る(40話)。

 ジュディはあしながおじさんの正体にすっかり感激していたが、ジュディがあしながおじさんに書いた手紙は全部ジャービスが読んでいたわけで、なかには恋愛相談なんかもあったりしたわけで、ジャービスはそれをニヤニヤしながら読んでいたであろうわけで、ジュディはビンタぐらいしてもよかったと思う。