アイスエイジセオリー

 中田はすでに七人ほど自分を見つけたそうだ。
 
 部屋にかかったマスタード色のカーテンを見ていたら唐突に涙がこぼれた。カーテンは十五年ほど前に奮発して買ったものだが、ずっと同じのをかけていることが急に悲しくなったのだ。
 そして、涙ぐみながら、自分にそんな感性があったことにびっくりした。かつてはこんなことで泣けるなど想像もできなかった。感性は年齢とともに鈍っていくばかりかと思っていたが、そう単純なことでもないのかもしれない。
 そういうわけで、ちょっとしばらく日記を書いてみようと思う。