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『ヴォルコシガン・サーガ』年表

『ヴォルコシガン・サーガ』とは?

 マイルズ・ヴォルコシガンを主人公としたSF長編の総称であり、ヒューゴー賞(SF小説に授与されるとても権威のある賞)を4回受賞しているたいへん人気のあるシリーズです。日本では1991年の『戦士志願』をはじめに、現在までに10作品が翻訳されており、いずれも創元SF文庫より出版されています。


年表記述に関する注意事項

 多くの惑星を舞台にした物語ではありますが、物語中に地球が存在しており、「地球標準紀元」ということばが登場しているため、おそらく1年を365日、1日を24時間とする時間体系が存在し、広く用いられていると考えられます。本年表中では「物語の登場人物は、特に断りのないかぎり地球で標準的に用いられている時間体系を用いて会話をおこなっている」と考え、たとえばアラール・ヴォルコシガンが「33年前」といったときには惑星バラヤーでの33年間ではなく、地球標準紀元で33年間のことだと解釈しています。
 また、ウラシマ効果による客観時間と主観時間の食い違いについては、本文中にそれについての明確な記述がないため、特に考慮していません。
 なお、年表中の略号については、以下の通り。略号の後の数字はページ数を示します。

SoH…『名誉のかけら』(Shards of Honor)
WA…『戦士志願』(The Warrior's Apprentice)
EoA…『遺伝子の使命』(Ethan of Athos)
FF…『自由軌道』(Falling Free)
BiA…『親愛なるクローン』(Brothers in Arms)
MoM…『喪の山』(The Mountains of Mourning)…『無限の境界』に収録
L…『迷宮』(Labyrinth)…『無限の境界』に収録
BoI…『無限の境界』(Borders of Infinity)
VG…『ヴォル・ゲーム』(The Vor Game)
B…『バラヤー内乱』(Barrayar)
MD1…『ミラー・ダンス(上)』(Mirror Dance)
MD2…『ミラー・ダンス(下)』(Mirror Dance)
C…『天空の遺産』(Cetaganda)
M1…『メモリー(上)』(Memory)
M2…『メモリー(下)』(Memory)
K…『Komarr』(未訳)
CC…『A Civil Campaign』(未訳)
DI…『Diplomatic Immunity』(未訳)


年表

地球からバラヤーへの入植がおこなわれる。
直後、重力異常によってワームホールが閉ざされ、バラヤーの孤立時代がはじまる。この期間にバラヤーの文明は封建時代レベルまで後退する。

2700年ごろ

『自由軌道』
遺伝子実験によりクァディーが生み出される。(L-169)
同じころ、ベータ植民惑星で人工重力が開発される。

正義帝ドルカ・ヴォルバーラ誕生。
国守の私兵を排除し、バラヤーの中央集権化をすすめる。

2793年

コマール−バラヤー間のワームホールが発見され、バラヤーの孤立時代が終わる。(B-45)

2796年

エザール・ヴォルバーラ誕生。(SoH-365)

2798年

ピョートル・ピエール・ヴォルコシガン誕生。(MD1-317)

2820年ごろ

セタガンダ皇帝フレッチャー・ジアーヤ誕生。(C-191)

2821年

第一次セタガンダ戦争
セタガンダ軍が後進惑星であったバラヤーに侵攻する。およそ20年の歳月を費やして、セタガンダ軍を撤退させた。(B-140)

2828年

アラール・ヴォルコシガン誕生。(SoH-361)

2830年

コンスタンチン・ボサリ誕生。(WA-270)

2838年

パドマ・クサブ・ヴォルパトリル誕生。(B-504)

2839年

ユーリ・ヴォルバーラの内乱(SoH-365)
ユーリ帝の送り出した殺戮部隊の手によって、アラールの母をはじめとした多くの貴族階級が殺害される。
コーデリア・ネイスミス誕生。(SoH-109)

2841年

ユーリ・ヴォルバーラの反乱終わる。(SoH-366)
ユーリ帝は弑され、エザール・ヴォルバーラが帝位につく。

2847年

クレメント・コウデルカ誕生。(B-456)
アラール、バラヤー帝国軍へ入隊。(SoH-365)

2848年

アラール、最初の結婚する。(SoH-82)

2863年

ダヴ・ガレーニ誕生。
セルグ・ヴォルバーラ、カリーンと結婚する。(M1-287)

2864年

アラール、提督となる。(M2-183)

2867年

エリ・クイン誕生。(BiA-265)

2868年

グレゴール・ヴォルバーラ誕生。
コマール征服(VG-93)
アラールを司令官とし、ほとんど犠牲を出さずしてコマールを征服する。
ソルティスの大虐殺
アラールの方針に反発した部下が、コマール議員評議員200人とその家族を射殺する。以後、アラールには「コマールの殺し屋」という俗称がついてまわることになる。
アラール、ラズコフスキー基地司令官となる。(VG-142)
アラール、ヴォルクラフト将軍号艦長となる。

2872年

『名誉のかけら』
セルギアールが発見され、惑星上でコーデリアとアラールが初めて出会う。
エスコバール戦役
エスコバールに利害関係の深い連合軍とバラヤー帝国軍の戦い。司令官のセルグ・ヴォルバーラは戦闘中に死亡。代理司令官となったアラールが指揮をとってエスコバールから撤退する。
コーデリア、終戦後にバラヤーへ亡命し、アラールと結婚。
アラール、バラヤー帝国軍を退役。
エザール帝、崩御。グレゴールが帝位につき、アラールはグレゴール帝の摂政となる。また、コウデルカはアラールの秘書として任用される。

2873年

エレーナ・ボサリ誕生
『バラヤー内乱』
ヴォルダリアンの内乱
内乱に巻き込まれ、パドマ、カリーン・ヴォルバーラ死亡。コーデリア、ドロウ、ボサリ、コウデルカの4人は首都に潜入してヴォルダリアンを殺害する。
ドロウとコウデルカ、内乱終結後に結婚。
イワン・ヴォルパトリル、マイルズ・ヴォルコシガン誕生。

2877年

コマールの反乱

2879年

コマールの反乱が終わる。
マーク・ヴォルコシガン誕生。

2880年

タウラ誕生。(L-243)

2881年

デリア・コウデルカ誕生。(M1-297)

2885年

エリ・クイン、オウセル傭兵艦隊に入隊。(EoA-60)

2888年

マイルズ、ベータ植民惑星に留学する。(WA-85)

2888年

アラール、摂政を辞し、グレゴール帝がバラヤーの全権を握る。

2890年

『戦士志願』(WA-29)
マイルズ、帝国士官学校入学試験を受けるが、体力テストで不合格となる。イワンは合格して帝国士官学校に入学。
ピョートル死亡。
マイルズ、エレーナ、ボサリ、ベータ植民惑星へ行く。
マイルズによってデンダリィ自由傭兵艦隊が創設される。のちにオウセル傭兵艦隊を合併。
コンスタンチン・ボサリ死亡。
ヴォルドロズダの内乱が発生。アラールを失脚させようとするが失敗。

2891年

ガレーニ、帝国士官学校を卒業。
マイルズ、帝国士官学校に入学。

2893年

マイルズとイワン、帝国士官学校を卒業。
『喪の山』
マイルズ、任官前の休暇中に領地でおきた嬰児殺害事件を解決する。
『ヴォル・ゲーム』
マイルズ、ラズコフスキー基地に配属されるが、3ヵ月後に機密保安庁に転属となる。
ヴァーベイン戦争
マイルズ、デンダリィ自由傭兵艦隊へ復帰し、ヴァーベインへと侵攻しつつあったセタガンダ軍を追い返す。

2895年

セタガンダ皇太后逝去。
『天空の遺産』(C-13)
マイルズ、セタガンダへ外交特使として赴き、セタガンダ軍の拡張政策を覆す。
『遺伝子の使命』
エリ・クイン、クラインステーションで諜報任務。イーサン・アークハートと協力してテレパシー合成遺伝子を持ち帰る。

2896年

『迷宮』(L-175)
ニコルとタウラ、ジャクソン統一惑星を離れる。タウラはデンダリィ自由傭兵艦隊に入隊。

2897年

『無限の境界』
マイルズ、ダグーラ捕虜収容所に潜入。約1ヶ月間を収容所で過ごし、1万人を超える捕虜とともに脱走。(BoI-339)

2898年

『親愛なるクローン』(BiA-8)
マイルズ、地球でマークと出会う。バラヤーを混乱に陥れようとしたセル・ガレンの陰謀を打ち砕く。
カイ・タング、デンダリィ自由傭兵艦隊より依願除隊。

2901年

『ミラー・ダンス』
マイルズ、作戦行動中に撃たれて仮死状態となり、冷凍治療を受ける。その後、冷凍保管容器ごと行方不明になるが、マークらによって救い出される。

2902年

『メモリー』
マイルズ、ゾアーヴ・トワイライトにおけるヴォルベルグの救出作戦中に冷凍治療の後遺症が発生。バラヤー帝国軍を医療退職となる。
エレーナ、バズ、デンダリィ自由傭兵艦隊より依願除隊。
マイルズ、聴聞卿に任命され、イリヤンに対する破壊工作活動を解決する。



系図

ヴォルコシガン・ヴォルバーラ・ヴォルラトイェル・ヴォルパトリル家


            男―┬―女                    女―┬―ドルカ・ヴォルバーラ―――――――――――――――――┬―女
              |                        | 【バラヤー皇帝】                   |
    ┌―――――――――┴―┬―――――――┐              |                        ┌―――┴――――┐
    |           |       |              |                        |        |
    男―┬―女  ドノ・ヴォルラトイェル  女―┬―男       クサブ・ヴォルバーラ―┬―女(ベータ人)   ユーリ・ヴォルバーラ    女―┬―エザール・ヴォルバーラ
      |                   |                    |           【バラヤー皇帝】        | 【バラヤー皇帝】
      |                   |                ┌―――┴――――┐                      |
      |                   |                |        |                      |
      男―┬―女      ピョートル・ピエール・ヴォルコシガン―┬―オリヴィア・ヴォルバーラ  女―┬―男                  |
        |        【ヴォルコシガン家当主】       |                 |                    |
        |                           |                 |                    |
        |            ┌――――――――――――――┴――┐              |                    |
        |            |                 |              |                    |
   ┌――――┴―――――┐      |                 男(長男)          |                    |
   |          |      |                                |                    |
ジェス・ヴォルラトイェル  女――アラール・ヴォルコシガン―┬―[1]コーデリア・ネイスミス   パドマ・クサブ・ヴォルパトリル―┬―アリス  セルグ・ヴォルバーラ―┬―カリーン
                 【ヴォルコシガン家当主】 |                                  |      【バラヤー皇帝】   |
                              |                                  |                 |
                     ┌――――――――┴――――――┐               ┌―――――――――――┘   ┌―――――――――――――┘ 
                     |               |               |               |
                     |               |               |               |
                 マイルズ・ヴォルコシガン  マーク・ピエール・ヴォルコシガン   イワン・ヴォルパトリル   グレゴール・ヴォルバーラ―――ライザ・トスカーネ
                 【ヴォルコシガン家当主】                                   【バラヤー皇帝】
                 【ネイスミス提督】

ネイスミス家


マイルズ・マーク・ネイスミス―┬―エリザベス・ネイスミス
               |
               |
       [1]コーデリア・ネイスミス

コウデルカ家


           クレメント・コウデルカ―┬―ルドミラ・ドロウシュナコヴィ
                       |
                       |
   ┌――――――――――――┬――――――┴――――――┬――――――――――――┐
   |            |             |            |
デリア・コウデルカ   マーチャ・コウデルカ   オリヴィア・コウデルカ   カリーン・コウデルカ

ジェセック・ボサリ家


    コンスタンチン・ボサリ―┬―エレーナ・ヴィスコンチ
                |
                |
バジル・ジェセック―――エレーナ・ボサリ



参考にした本文中の記述

『名誉のかけら』(Shards of Honor)
P82 彼は二十歳のとき、家柄のいい十八歳の女性と結婚した
P109 コーデリアが33歳、アラールが40代という記述がある。
P361 摂政になることを拒むアラールに対してヴォルターラガ「まだ四十四歳だぞ」(SoH-361)といっている。
P365 入隊してから二十六年になります
P365 「――そちは何歳だった?」/「十一歳です」
P365 「あのときわしは、現在のそちと同じ年齢だった」
P366 「それから二年後、例の古城でついにユーリを殺したとき――」
『戦士志願』(The Warrior's Apprentice)
P29 「――ぼくに継承者の名乗りを許してくださるつもりだったんだね。優しいかただよ――十七年たってやっと」という記述より、マイルズの年齢が当時17歳であったことがわかる。
P85 ベータ植民惑星に一年間の留学をしたのは彼が十五歳のときのことで――
P270 マイルズの父より二、三歳若い
『遺伝子の使命』(Ethan of Athos)
P60 でもいまは、十年ぶりに故郷に帰ってきたところなの。
『自由軌道』(Falling Free)
『親愛なるクローン』(Brothers in Arms)
P8 この三ヶ月、その結果の光景が記憶のなかでくすぶりつづけていたのだという記述および、ダグーラ収容所で経過した時間から考えると、地球へついた時点で年を越している。
P265 クインはぼくより六歳年上だ
『喪の山』(The Mountains of Mourning)…『無限の境界』に収録
『迷宮』(Labyrinth)…『無限の境界』に収録
P169 二百年ぐらい前のことになります――
P175 この偽装傭兵が二十三歳の機密保安庁中尉であることを――
P243 マイルズの質問に対して16歳であると答えている。
P267 ひところタングは、四千年前に死んだ原始中国の将軍の言葉をことあるごとに引用していたという記述がある。孫子が生きていた時代を考えると、この物語世界は35世紀前後あたり。なお、本年表中では、公式サイトのFAQにある「Re-vivication technology -- they're working on it now, y'know. I imagine it was a fairly early development in Miles's timeline; some early version was doubtless up and running by the end of the 22nd Century. Miles is about the 29th or 30th Century. 」という回答および、『無限の境界』にあるマイルズのセリフ(B-339)をもとに世紀を決定している。
『無限の境界』(Borders of Infinity)
P339 スーガーの質問に対してマイルズが答えている。「今日は九七年十一月二日だよ。地球標準紀元で」
『ヴォル・ゲーム』(The Vor Game)
P93 約二十五年まえのコマール征服の期間に――
P142 「話の様子では二十五年前と大同小異のようだな」「わたしはラズコフスキー基地を五ヶ月ほど指揮したことがあるんだよ。ヴォルクラフト将軍号という巡洋艦艦長への任官を待っているあいだにね――」
『バラヤー内乱』(Barrayar)
P45 バラヤーがふたたび広範な銀河文明と接触を持つようになって、まだ八十年しかたっていないんだ。
P140 ピョートルが将軍という階級を得たのは若干二十二歳のときで、デンダリィ山脈でくりひろげられたセタガンダ軍相手の激しいゲリラ戦の最中だった。――その二十年後、ピョートルは――。――エザール・ヴォルバーラを帝位につける役割を果たしたのだ。
P456 もうじき二十六になるんじゃないの……といっている。
P504 パドマはまだ一歳の赤ん坊で――
『ミラー・ダンス(上)』(Mirror Dance)
P317 この男は標準年でいって七十二歳だから――。(中略)父親のピョートル国守は、いまの彼より二十年も長く生きたのだが。
『天空の遺産』(Cetaganda)
P13 まもなくイワンの誕生日に続いて、マイルズの二十三歳の誕生日もやってくるという記述より、セタガンダでの出来事がマイルズ22歳のときのことであることがわかる。
P191 七十代だというのに髪には白髪の気配もない
『メモリー(上)』(Memory)
P287 このまえの皇帝一族の婚礼から四十年経っている。
P297 「イワンはじきに三十だよ。きみはええと、二十四だっけ」
『メモリー(下)』(Memory)
P183 父が<孤立時代>以降ではもっとも若い提督になった三十六歳よりも――
『Komarr』(未訳)
『A Civil Campaign』(未訳)
『Diplomatic Immunity』(未訳)